前回に引き続き、今回も金沢の取っ手特集をお届けする。
茶屋街で見つけたゴミ分別用のプラかご。「金沢市」と書かれているところがいい。分かりやすいったらない。どこが取っ手かはご説明不要だろう。
これを見たとき、観光地にありがちな「〇〇へ行ってきました。」という名称の、ありきたりなおみやげぽいな、と思った。中身は地場産じゃないクッキーだったりするおみやげ。
取っ手としてはありきたりなのに、「金沢市」と書かれているだけで、旅写真になってしまう。不思議。
こちらは
瓶ケースの取っ手。コカ・コーラ、三ツ矢サイダーは有名だが、「ナイルサイダー さわやか」というのは初めて見た。
製造元らしきロゴに、「北陸ナイルボトリング」と書かれているが、ネットでいくら探しても出てこない。謎なサイダーである。
金沢城で発見した取っ手。石に刻まれた取っ手だが、手で持ち上げられる重量なのか、甚だ疑問。
持ち上げようとしても、指の第一関節がギリギリと悲鳴をあげそうな事が想像される。取っ手を鑑賞する上で、手触りはとても重要な要素である。
こちらも金沢城で発見した取っ手。点検口の蓋だろうか。
スチール感溢れるカッコいい取っ手だが、砂利の侵略が凄い。今にも埋まりそうだ。取っ手の「助けてくれ!」という悲痛な声が聞こえてくる。
金沢駅の北口のドアノブ。
金属の重量感、そして優しいアールの取っ手。素敵。
これだけ連続してあるとちょっと興奮する。いや、興奮するっていうのはどうなんだ。取っ手に興奮って。
最後にとても悩ましい、問題児取っ手を紹介したい。
な、なんじゃこりゃ!
や、やかんがデカい…
ふたもデカいぞ…
こんなデカい取っ手は見たことない…
「
やかん体、転倒する。」という彫刻作品。金沢駅前でひときわ異彩を放つ取っ手。
僕が今まで蒐集したなかで最大サイズの取っ手である。
心残りなのは、この取っ手に触ってこなかったことだ。触れて感触を確かめるべきだったと後悔している。
ただ問題なのは、僕が考える取っ手の定義、
「対象物体の最も持ちやすそうな箇所」と言えるかどうかという事。
この取っ手は、この彫刻作品を持ち上げるためのものではなく、取っ手を模した彫刻である。ましてや人の手で持ち上げることを想定して作られたわけではない。
こういう事例があると、どこまでを取っ手として認めるべきか、とても悩む。取っ手の形をしているのに、取っ手ではないという矛盾。
まぁ、そもそもこんなことで思い悩む必要もないし、世間的には全く大した問題ではない事は分かっている。がしかし、僕の中でこれを「取っ手として認めるかどうか」は大問題であり、未だ答えを出せないでいる。